もう50歳も過ぎて、たぶん一人で死んでいくんだろうなと思うわけですよ 中森明夫②

雛祭り 春は名のみの 夜風かな
こんにちは、ぎーたです!

「独り身で子供のいない僕は何のために生まれてきたのか?~」はこの本からの引用です
小林よしのり 中森明夫 宇野常寛 濱野智史
AKB48 白熱論争』
http://www.gentosha.co.jp/book/b5944.html 

さすがアイドルの専門家である中森明夫さんは4人の座談会の中で、随所に鋭い印象的な見解を披露しています
「アイドルとはメディアを通した恋愛(対象)」
「上手くいった事例を遡ってみれば辻褄が合っている、それは当たり前。AKB48も同様」
「みんなAKB48とおにゃんこクラブの違いばかり言いたがるけど、その間の時期にまったく売れなかったチェキッ娘のリベンジを、秋元さんはAKBで果したいのではないかという説がある」
「アイドルの歴史を見ると廃れないものはない。AKBは良くできているから長続きすると思うけど~永遠に売れ続けるように見えるものが、いったん止まるとまったく流行らなくなる」
etc.

前回と今回のタイトルは中森さんの以下の発言からの抜粋です
「僕なんか結婚もしてないし子供もいないでしょ? もう50歳も過ぎて、たぶん一人で死んでいくんだろうなと思うわけですよ。
じゃあ、俺、何のために生まれてきたのかなと考えると、ああ、それは人と出会うためなんだって。」

~たぶん一人で死んでいくんだろうな~
冷静というか達観してますね(-_-;)

ただし注意すべきは、この言葉がAKB48の握手会に肯定的な意味を付与する文脈で述べられていることです。
「心から推せるようなアイドルに出会って、握手会に行くことには意味がある」という文脈で…
僕も今回じっくり読み直して気づきました(・・;)
一般的な人生観を述べだものだと勘違いしていました。すみませんm(_ _)m
中森さんと秋元康さんは30年近くの知り合いということなので、営業トークの色合いがあるのは否めない。
(報道陣+関係者65人に対して観客が7人しか来なかったという、伝説のAKB48デビューライブにも中森さんは関係者の一人として招待されていたそうです)

いい年してアイドルが嫌いではない僕でも、AKB的な握手会には違和感があります。
長く握手するために同じCDを複数枚買わせようとする握手会には一般的に
・一種の風俗。ショウビジネスを歪めている
・アイドルを鬱にする
・危険。実際に刑事事件が起きてる
など様々な批判があり、僕も「キャバクラの色恋営業=疑似恋愛で客を引っ張る営業スタイル、に似てるよなあ」という否定的感想を持ってます。
昔から行われているCD営業のためのサービス握手なら全然かまわないと思いますが、同じCDを10~100枚買うとかとなるとちょっと…

しかし一方で
AKBグループは東日本大震災以降何年も継続して被災地慰問に行っているし、義援金寄付総額は数十億円(一説には100億円超)とも言われています。
もちろん売名もあるのでしょうが、これは素直に称賛すべきですよね。AKBグループ&秋元康さんナイス!


また、中森さんの「僕は人に出会うために生まれてきた」も、本音なんだと思います。
だからこそ胸に刺さるのでしょう 
前回紹介した『寂しさの力』の執筆時期とこの座談会の時期が重なってることから、寂しさについて色々考えているからこそ自然に出た言葉だと推察します

『寂しさの力』では
「さみしくても大丈夫」ではなく、
「さみしいから大丈夫」なんだ
とも述べられています。本当かな?
寂しいからこそ…

かつて中森さんが全盛期のユーミンにインタビューした際に、スターの条件は何かと尋ねたところ
「そうね……孤独だってことかしら。ほら、人気ってのは<人の気>なのよ。孤独がきっとそれを引きつけるのよね」
と、どこか遠くを見るような表情でユーミンは答えたそうです
寂しさの力、ユーミンは自覚していたのかもしれません

次回は「人間の最も強い力としての寂しさ」を含めて中森明夫編を完結させたいと思います



to be continued
Thanks so much for reading.
Seeya 🌷  Good day☺